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606話

雪鹰の手の力を感じながら、肖宇は眉を上げて手を下ろした。

相手の顔に浮かんだぎこちない笑みを見て、肖宇はさらりと微笑んだ。

「へぇ、おべっかを使いながらも、この威風堂々とした態度。このオレ様が初めて見るタイプだな。この木頭坊主も、なかなかの人材じゃないか?」

肖宇は目を細めて彼を見つめ、その笑みには欲望の色が濃くなっていった。

その嘲るような表情に、雪鹰は思わず身震いし、黙って二歩後ずさった。

「あの、貴方は?」

雪鹰は肖宇の前では抵抗の余地がないことを理解していたが、あのような視線で見つめられるのは、やはり居心地が悪かった。

彼はケースを持ちながら、右足をわずかに半歩後ろに引き、ふと自分のブ...