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604話

肖宇は8階まで猛ダッシュで駆け上がった。サイレンの音が聞こえていたが、来たのが刑事なのか特殊部隊なのか、あの男に対抗できるかどうかなど気にもとめなかった。

今の彼は、ただ自分の手であいつの首をもぎ取り、兄弟の仇を討ちたいだけだった。

燕帰鴻が最後に浮かべた血の気のない笑顔が、記憶の中の血のように、彼の心を深く刺し貫いていた。

その怒りの深淵は、鮮血でしか満たすことができない。

彼がビルに入った時、すでに人混みに紛れていたセワノフは、ゆっくりとショッピングモールの入口に歩み寄っていた。

先ほどの広場での激しい戦いの際、セワノフは車の中に座り、すべての細部を最初から最後まで目に焼き付けて...