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603話

以前の連射に比べて、この一発の銃声は遅すぎた。

その銃声が響いた瞬間、肖宇は表情を引き締め、素早く近くの遮蔽物に身を隠してから、驚きの表情で振り返った。

「まさか奴の標的は俺じゃない?いや、そんなはずが…」

銃声の方向を見やると、必死に身を隠そうとしている韓啸虎の姿がすぐに目に入った。

肖宇は驚いて突然銃口を変えた雪鹰を見上げると、ある考えが頭をよぎり、瞳孔が一瞬で縮んだ。

「くそっ!」

「あの野郎、俺が人を助けるために進路を変えたのを見て、また同じ手を使おうとしている。誰かを守ろうとする時の方が、隙を見せる可能性が高くなるからな…本当に狡猾で冷酷な野郎だ!」

肖宇は一瞬でその狙いを見抜いたが...