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582話

「うっ、やべぇ……」

肖宇は小さく呻きながら目を開けると、すぐに越可児の頬に浮かんだ桃色の紅潮が目に入った。

彼は素早く歪んだ表情を整え、声もたちまち柔らかくなった。

「小悪魔、大丈夫か?」

肖宇の星のように輝く瞳に見つめられ、彼女は慌てて我を失ったように首を振った。

その濡れた長い髪から、水滴が飛び散る。

先ほどの激しい動きで、越可児のバスローブは帯が緩み、大きな襟元は彼女が前かがみになったことでさらに大きく開いていた。

肖宇の視線は、ゆっくりと滑り落ちる水滴とともに、豊かな雪山へと少しずつ深く入り込んでいく。

彼の角度からは、かすかにあの愛らしい紅色も見えた。

冷たい水滴がゆっくりと滑り落...