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569話

肖宇が茫然とした目で大いに困惑し、嘆いているその時、宋傾姿は酔いつぶれた安然の世話をしていた。

「お兄ちゃん、行かないで!いいえ、本当は私も行きたくないの。でも、行かなければ、お兄ちゃんと傾姿姉さんは…」

ベッドの傍らに座り、タオルを絞っていた宋傾姿は、朦朧とした酔いの中でも焦りと諦めに満ちた安然の叫び声を聞いて、胸に針が刺さったような痛みを感じた。一針、また一針と、彼女の心を突き刺すように。

「はぁ…」

宋傾姿は長く息を吐き出し、絞った冷たいタオルを安然の額に優しく置いた。

彼女の今の複雑な心境は、とても言葉では表せないほどだった。

胸が詰まるような気持ちの中、密閉された部屋の中...