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549話

肖宇は結局、頑固な警備員の小張を説得できず、彼を連れて込み合った人々の中を蔡李記へと向かうしかなかった。

とはいえ、彼を連れていることにも利点はあった。少なくとも、多くの人が彼のきちんとしたミリタリーユニフォームを見て、自ら道を譲ってくれたのだ。

一見歩きにくそうな道のりだったが、予想よりもずっと短時間で進むことができた。

「やるじゃないか、小張。道を切り開くのが上手いな!」

肖宇は彼の胸を軽く叩きながら、眉を上げて言った。

小張は手で胸をさすりながら照れくさそうに微笑んだが、その視線は肖宇には向けられていなかった。

むしろ、人々の肩越しに蔡李記の前で何が起きているのかを見ようとし...