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452話

「細い猿」とアイバーソンは、リングの両端に立ち、黙って見つめ合っていた。

司会者は二人の間に立ち、白人の大男の迫力と、細い猿の目線の逃げ惑いを最も鮮明に感じ取っていた。

二人の気迫がぶつかり合い、優劣は一目瞭然だったが、司会者の顔には確信に満ちた笑みが絶えず、まるで細い猿が負けるとは微塵も思っていないようだった。

「リング上では、生死に恨みなし。三秒後に試合開始。それまでは、まだ棄権することも可能だ」

司会者は片手を二人の間に立て、左右を見渡してから、手のひらを空中で力強く振り下ろした。

全員が息を殺してリングに視線を集中させている中、ある特別室にいるロは淡い笑みを浮かべながら視線を戻していた...