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425話

「なんだ、予備役だったのか。やっぱりそんな雑魚チーム、世界トップレベルなんて言えるわけないよな」

肖宇の嘲笑う声を聞きながら、越可児は何も言わずに資料の束を取り上げ、彼の手に押し込んだ。

「これは雪熊特殊部隊に関する全資料よ。細部まで記載されていて、あなたが闇市場で手に入れたものよりずっと詳しいわ。急いで目を通しておいて。敵を知り己を知れば百戦危うからず、でしょ」

肖宇は資料に目を落とし、びっしりと並ぶ文字を一瞥しただけで頭を抱えて苦笑した。

越可児がどんな目的を持っていようと、この時の彼女の気遣いに肖宇は言いようのない温かさを感じていた。

彼は微笑みながら分厚い資料を置き、顔を上げて越可児を...