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420話

「昔はどうしたの?」

宋傾姿が微笑みながら言うと、肖宇は背後から冷たい風が吹きつけられるような感覚に襲われた。

その不吉な予感に、彼は思わず身震いし、振り返って苦笑いを浮かべた。

「なんでもないよ、なんでもない。男は過去の武勇を語らないものさ、へへ、もう言わないよ」

肖宇の淡い笑みを見て、彼女の口元もゆっくりと上がっていった。

「あ、そうそう、さっき私に何か取ってきて欲しいって言ってなかった?何だっけ?」

「救急箱だよ……」彼女の言葉を聞いて、肖宇は無意識に答えた。

言葉が口から出た瞬間、はっとして慌てて言い直した。「いや、そんなの頼めるわけないだろ、自分で取るよ、自分で」

そう言って、肖宇は...