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413話

「来た。」

彼の足に視線を固定し、予定位置に一歩踏み込んだ瞬間、肖宇は心の中で呟いた。そして全身で飛びかかった!

空中に飛び上がってようやく、肖宇はその不速の客の顔を見た。

顔一面に生い茂った濃い顎髭、高い鼻梁、くぼんだ目窩、がっしりとした体格ながらも動きは俊敏だった。

肖宇は両腕を交差させ、首を締める体勢で、その男の首筋めがけて襲いかかった。

彼の奇襲は素早く、間近の距離では、相手に回避する余地など全く残されていなかった。

「ドン!」

曲げた肘が相手の首筋に重く打ち込まれ、もろい鎖骨が音を立てて砕けた。

肖宇は獣のような体で、強大な力を込めて、その男を軽々と地面に組み伏せた。

だが、もう片方...