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410話

松下は地に倒れ、惨めに退場した。

先ほどまで共に敵意を燃やしていた人々は、しばらく呆然としていたが、やがて山鳴りのような歓声が爆発した。

心の底から湧き上がる誇らしさと名誉の感覚は不思議なものだったが、人々を大いに奮い立たせた。

その熱狂的な感覚はまるでウイルスのように、素早く激しく伝染していき、品のある晩餐会が肖宇のひと騒動で一変してしまった。

騒がしく混沌とした声の中、肖宇は平然と座り、静かに酒を自ら注ぎ、一口ずつ飲んでいた。

テーブルの上の琉璃のように澄んだ瓶には、清冽な酒が入っていた。その酒の名前は質素で華やかさはなかったが、全中華で指折りの、そ...