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407話

酒が胃の中で燃え上がり、強烈な目眩が次第に押し寄せてきた。

松下は足元がふらつき、後ろに数歩よろめいたが、幸い側にいた部下が間一髪で支えたため、床に倒れることは免れた。

そんな松下の滑稽な姿を見て、終始肖宇の後ろで様子を眺めていた越可兒も、思わず微笑みを浮かべた。

彼女は肖宇の逞しく広い背中を見つめ、艶やかに微笑んだ。

「坊や、あなた私の想像以上に悪い子ねぇ。今まであなたが口達者だとは知っていたけど、まさか数言葉で瀛島人を手のひらで転がすなんて、しかもこんなに酒に強いなんて……」

そう言いながら、越可兒は妖艶に長い髪をかき上げ、含み笑いを浮かべて独り言を呟いた。「坊や、あなたの中にはまだ私の知...