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400話

肖宇の腕は越可児にしっかりと抱えられ、彼の視線は二人の女性の顔を行き来していた。

見ているのは、どちらも美しさに比類なき優雅な笑顔なのに、彼の目に映るそれは、まるで万箭が心を貫くようなものだった。

「くそっ、宋のあまっこまで来やがった。これは最悪だ。雷と火が交わって、焼かれるのは俺だけじゃないか」

肖宇は悲痛な面持ちで考えていた。今の自分は、まるで両面から焼かれるアリのようだと感じていた。

この広い世界、どこもかしこも地獄だ!

「天よ地よ、諸仏諸神よ、誰か暇があれば俺を救ってくれないか。誰でもいい、この苦海から抜け出させてくれたら、朝夕必ず線香を絶やさな...