絶世の狂兵

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40話

肖宇は「パッ」と音を立てて電気をつけ、爪楊枝を咥えながら手の中の救急箱を軽く振り、何気なく声をかけた。

「老刀、薬塗りに来いよ!」

洪おじさんが老刀の存在を知ってしまった以上、もう隠し続ける必要はなくなった。これで彼にとっても余計な面倒が省けるというものだ。

静まり返った部屋からは返事がない。老刀は真っ赤に染まった肩をさらしたまま、新聞紙が貼られた窓の前に立ち尽くし、隙間から必死に外を覗き込んでいるようだった。まるで彫像のように動かない。

肖宇はちらりと一瞥し、頭を振った。瞳に一瞬よぎった好奇心を隠し、救急箱をベッドに置くと、柔らかい布団に寄りかかって気持ちよさそうにタバコを吸い始めた。

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