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393話

肖宇は身をかがめ、趙寒の襟首を掴み、一方の趙寒は彼の手に食らいついていた。二人は奇妙な姿勢で立ち尽くし、まるで彫刻のようだった。

その場の雰囲気が一変する様子を見て、斉大師は欄干に置いた手に、無意識のうちに力を込めていった。

はっとした後、顔に会心の笑みが浮かんだ。

「なるほど、これが彼の目的だったのか。この若者、本当に見直したよ。肖宇…信じられないが、これからこの名前をよく耳にすることになりそうだな」

彼が見せた武の実力は、すでに帝都の名門の若き後継者たちの最前列に堂々と立っていた。

だが、斉大師が本当に期待を寄せたのは、彼が示した心構えと器の大きさだった。

優しい人間なら敵にも...