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386話

肖宇が身を起こしてからしばらく経って、秦無涯はようやく顔を上げた。

しかし、再び二人の目が合った時、互いの目の輝きには、わずかな変化が生じていた。

彼が冷静さを取り戻した眼差しを見つめながら、秦無涯の脳裏には、先ほど彼が話していた時の姿が浮かんでいた。

あの時の彼の目には、尊敬の念が、理解の色が、まるで年長者が若い者を見守るような温かさが、そして軍人特有の気骨と誇りが宿っていた。

その瞬間、秦無涯は命を預け合えるような戦友を見たような気がした。

あの雰囲気は余りにも馴染み深く、決して見間違えるはずがなかった。

「お前は一体何者なんだ?」

しばらく躊躇った後、彼は表情を引き締めて尋ねた。

だが肖...