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384話

秦無涯は宋傾姿に向かって軽く会釈をした。その君子のような気品ある立ち振る舞いは、まさに非の打ち所がなかった。

宋傾姿の表情がわずかに和らいだが、彼女が返答する前に、背後の肖宇が不機嫌そうに前に出てきた。

「おい、このカラス野郎、何様のつもりだ?喋れないなら黙ってろよ。俺様を傷つけたって?お前の腕前じゃ俺様の相手になんてなれないぜ。信じられないなら、もう一度やってみるか?それにな、『傾姿』だと?お前が呼べる名前じゃないだろ。礼儀ってもんを知らないのか。そうだろ、宋ちゃん?」

秦無涯に向かって強い口調で言い終えると、肖宇は宋傾姿の方に顔を向け、瞬時に満面の笑みに変えた。

「肖宇!」

宋傾...