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380話

分からない時間が過ぎたのだろう、あの剣呑な雰囲気は、静かで妙に甘い空気へと変わっていた。

肖宇と葉雪泠はベッドの上で、背中合わせに座っている。

彼は青黒く腫れた右目を細めながら、葉雪泠が脱いだばかりの制服を手に、細い針と糸で、丁寧にボタンを縫いつけていた。

「警官ってみんなそんなに手加減知らないのか?俺じゃなかったら、目を殴り潰されてたかもしれないぞ!」

肖宇の半分愚痴、半分冗談めいた声を聞きながら、薄いタオルを身にまとった葉雪泠の美しい瞳にも、困惑の色が浮かんだ。

「あなたが何をするつもりか分からなかったんだもの。それに、あなたのこれまでの行動が、私の...