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362話

肖宇がどっしりと堂々と私立病院から出てきたとき、まだ一時間も経っていなかった。

真上に昇った太陽を見上げながら、彼は怠そうに背筋を伸ばした。

「これで面倒事は片付いた。もう楚家が宋の小娘に迷惑をかけることも心配しなくていいな」

秋の日差しを浴びながら、肖宇は心地よさそうに目を細めた。

「朝っぱらからこんな下らない用事で忙しくしてたなんて、はぁ、疲れたぜ。こんな天気は二度寝にぴったりだな...」

大きなあくびをしながら、彼は手を挙げてタクシーを止めた。

「お兄さん、どちらまで?」

その言葉を聞いて、肖宇は宋傾姿の家の住所を言おうとしたが、口を開いた瞬間、銀霜の怒りを含んだ美しい顔が脳裏に浮かび、...