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350話

肖宇は怒りを完全に心の内に秘め、その気迫はかえって一層冷たく人を寄せ付けないものとなっていた。

わずか数ヶ月ぶりに安然と再会して、肖宇は彼女が以前とどこか違うように感じていた。だが、どう違うのか、それを明確に言い表すことはできなかった。

ただ、胸の内にこみ上げる重苦しい感覚だけは、偽りようがなかった。

彼はゆっくりとした足取りで楚星河に近づいていく。耳元には楚星河の焦りに満ちた哀願が響いていた。

「兄貴、やめてくれよ!悪かった、もう二度とこんなことしないから、どうか俺にチャンスをくれよ!」

肖宇の大理石のように冷たく硬い表情に一片の感情の揺らぎも見られないことを悟り、楚星河は今度は安...