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346話

護衛たちが身を投げ出して襲いかかってくる中、肖宇は素早く動き、身をひるがえして二人の間をすり抜けた。

「うわっ!」

二人の護衛は顔と顔をぶつけ合い、重たく地面に倒れ込んだ。

「イケメンくん、そこまで気を遣わなくていいよ。おいらはただちょっと中を覗きに行くだけさ、黄土を敷く…じゃなくて、人間の踏み台なんか要らないんだ」

そう言いながら、肖宇はつま先で護衛の分厚い背中を踏み、その反動で数メートル先へ飛び出した。

「てめぇの妹の黄土の踏み台だよ!イケメンはお前だろ、お前の家族全員がイケメンだ!」

楚星河は彼の言葉に激しく腹を立て、口から漏れる怒号はますます怒りと焦りに満ちていた。

「こいつを止めろ!...