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342話

広々として絢爛とした道は長く見えたが、思いのほか早く終点に辿り着いてしまった。

安然と宋傾姿の二人は、豪華で高層な別荘の入り口に立ち、一瞬躊躇った。

ちょうどその時、彼女たちの目の前のドアが、ゆっくりと開いた。

「美しいレディたち、今夜のパーティーへようこそ」

中から聞こえてきたのは、温厚で優雅な男性の声だった。良い声ではあったが、宋傾姿は不安そうに眉をひそめた。

安然は全身に鳥肌が立ち、宋傾姿の手をより一層強く握りしめた。

「安然、怖がらないで。わたしがいるから」

宋傾姿は優しく声をかけると、一歩踏み出して中に入った。

別荘の内...