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333話

肖宇は人目につかない隅を見つけ、李兄を隠した後、洗剤で作った泡で彼の体を拭き取った。

「友よ、ここでおとなしく眠っていろ。目が覚めた頃には、世界は平和になっているだろうからな」

彼はそう心の中で呟くと、再び足早に動き出した。

清潔に整えられた通路には、目立った隠れ場所はなかったが、肖宇の姿は揺らめくように不定形で、まるで幻のような存在感だった。

二人の警備員は肖宇のことなど気にする余裕もなく、慌てて後部貨物室へと駆け込んでいった。

肖宇の仕掛けた暗示通り、彼らはすぐに例の「浮き輪の城」を見つけ出した。

一人が手を伸ばして触れると、目に光が宿り、深く考える間もなく焦りながら叫び声を上げた。

「...