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323話

「うん、問題なければいいや。もう一度封印しておこう」

「はい」

部下が返事をすると、浮き輪に開いた一センチほどの裂け目を丁寧に修復し始めた。

「他のものは捨ててもいい。私腹を肥やしたいなら、それも目をつぶってやる。だがこの二つの浮き輪の城だけはしっかり見ておけよ。もし何か問題が起きたら、お前の末路がどうなるか分かっているな」

「小人、承知しております。護法様どうかご安心を。命に代えてもこの荷物を守り抜きます」

「それが良い。覚えておけ、この荷物は我らの教会の発展に極めて重要なのだ。もし紛失すれば、お前だけでなく、この私も恥辱の柱に打ち付けられる罪人となる!天地万物も私を許さず、波は私を打ち砕き...