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261話

肖宇は背後に尾行者がいることを察知していたが、まったく気にしていなかった。

「今でも俺を追ってくるなんて、こいつらは宋万山の手下じゃないな。となると、沙東で俺にこれほど興味を持つ奴は誰だ?」

肖宇は静かに考えていると、ふと先日の夜に現れた黒装束の人物を思い出し、目に閃きが走った。

「まさか、なんとか芒って組織か?ただの軍需品程度で、こんな器の小さい連中じゃ大成しないだろうな」

そう思うと、肖宇はそれ以上考えるのをやめ、横を向いて横の太った男に目をやった。

「デブ、お前も中華で商売してたよな。越可児って名前を聞いたことあるか?」

あの妖艶で精緻な美貌を思い浮かべると、肖宇はどこか見覚えがあるよう...