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236話

朝の第一波の攻撃が一段落し、急ごしらえの陣営から、一人の男が戦術用双眼鏡を持ち、落とせない砂丘を観察していた。

砂丘の頂に突き刺さった大きな物体を見つめ、男の目から強欲の光が閃いた。

勇ましい戦歌が聞こえ、何故か胸中に煩わしさが湧く。「何を叫んでいるんだ?」

その男は大柄で、逞しい体つきに針のような短髪、深褐色の目は威厳に満ちていた。

部下は命を受け、中国語を理解する通訳を連れてきて、将軍の意図を伝えた。

「あの歌は中国の古代の戦歌で、意味は『最後の一滴の血まで戦う』というものです」

将軍はその言葉を聞き、沈黙した後、冷笑して手を振った。

通訳が兵士に連れ去られると、将軍は双眼鏡...