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211話

銀霜のささやきについて、彼女は一言も耳に入れていなかった。

「神秘端末」という言葉を聞いた瞬間、雷に打たれたように、頭の中が真っ白になった。

「あの雨林での殺戮シーンは幻覚ではなく、実際に存在したものだったのか。そして、私もDという組織の殺し屋の一人だったというのか?」

肖宇はもはや神秘端末についてさらに質問する必要はなかった。以前、彼自身もそのウェブサイトにログインしようとした経験があり、銀霜の言葉の意味を理解できた。

「ああ、分かった」

肖宇は手元のバッグに触れ、その少し冷たく硬い感触を確かめながら、心が徐々に沈んでいくのを感じた。

突然低くなった彼の声に、銀霜は眉をひそめ、何か異変を敏感...