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107話

肖宇の手首が一振りするのを見ると、冷たい光が閃いた。その貴公子の目に一瞬焦りの色が走り、肖宇の手を掴んで、淡く微笑みながら口を開いた。

「それは結構です。私も多少医術を心得ておりますので。承戦の体内の瘀血はすでに十中八九取り除かれていますから、もう放血の必要はありません」

貴公子の言葉を聞いて、肖宇は眉を上げ、飛剣をしまい、意地の悪い笑みを浮かべた。

「へぇ、お前が洋鬼子のそんなもの知ってるとはな。やるじゃないか。放血しなくてもいいが、この熊の野郎はちょっと野性味があって手懐けにくそうだな。連れて帰ってよく躾けてやらないとな」

肖宇の言葉に含まれる軽薄さと茶化す調子に、宋傾姿でさえ眉をひそ...