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944話

山狼、南疆の合楠鎮の出身。

猥雑な風貌で痩せ気味の体つき、長年山中で暮らし、三十年以上も独身を貫いている。

だが、山狼と呼ばれるからには、陰湿さと同時に、その残忍さをも物語っている。

喧嘩や刃物を扱うことには、彼は一切の恐れを知らなかった。

だから楊動から劉偉が裏切り者だと聞くや否や、すぐに刃物に手をかけ、命を懸ける構えを見せた。

楊動はこの男が忠誠心を示そうとしていることを理解し、軽く笑いながら手を振った。「興奮するな、座れ。この件は俺が処理する。大事にするな、ホテルを出てから話そう」

山狼は頷き、素直に刃物をしまったが、心の中では決意を固めていた。後でホテルを出たら、真っ先に手を下すつもり...