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930話

犬山一賀は今年三十四歳、殺し屋として国際的に活躍してすでに三年が経つ。

この三年間、彼が最も好きなことはたった二つ、一つは報酬を手にした後に歌舞伎町の風俗店で遊び戯れること、もう一つは他人を殺める時に感じる殺戮の快感を楽しむことだった。

熱い情熱で女の柔らかさを貫くのも、ナイフで標的の心臓を突き刺すのも、彼を陶酔させるものだった。

だが今日、彼はこれまで標的だけが味わってきた絶望を体験していた——追い詰められて逃げ場のない絶望を！

背後にいるあの悪魔が、早足で近づいてくる。彼にはあの悪魔と戦う勇気など微塵もなかった。

臆病なわけではない。ただあの悪魔があまりにも強すぎたのだ。わずか一刻も経たな...