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925話

「四階の三号室です。左側にエレベーターがあって、その隣が階段です。夜になったら裏の大広間へどうぞ、素敵なサプライズがお待ちしていますよ」

現金を受け取ったフロントの女の子の笑顔は、ますます甘くなっていった。

「わかりました、ありがとう」

楊動は頷き、階段口へと歩き出した。

彼がエレベーターを使わなかったのは、新しい場所に来るたびに周囲の環境と脱出経路を確認する習慣があったからだ。

二階へ続く階段はあまり綺麗ではなく、埃と足跡が残っていた。

楊動が階段口に立ち、足を踏み出そうとした瞬間、上の角から怒鳴り声が聞こえてきた。「さっさと消えろ!お前のことをよく知らないとでも思ってるのか?毎日山で薬草摘...