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893話

「私も？」

山狼がそう言うと、美しい女性は一瞬驚いた様子を見せた。「私の前に、他の誰かがあの人について尋ねたの？その人は誰？」

「もう一人のお婆さ……優しいお年寄りがいましてね、あそこの角のところで見かけたんですが、同じことを聞いてきたんです」

山狼は最初、もう一人の老婆も若い男について尋ねてきたと言おうとした。

だが言葉が口元まで出かかったとき、ハッと気づいた。この美女と老婆が一味である可能性を恐れ、言い方を変えて「お年寄り」と言い直したのだ。

もちろん、イケメンと老婆に立て続けにやられたなどとは言えない。それではあまりにも面目が立たない。

「そのお年寄りは誰なの？」

美女はそう呟くと...