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856話

「彼女はあまりにも美しすぎる。明珠市で働いていた時でさえ、こんな美しい女性は見たことがない。ったく、こんな娘は家に嫁に迎えるならまだしも、皆を率いて麻薬取締りをさせるなんて...皆を火の中に突き落とすようなものじゃないか」

この言葉は、方柔柔が着任したばかりの頃、麻薬取締所の副所長である黄杰が言ったものだった。

黄杰は若い頃、明珠市で要人のボディガードを務め、その後怪我をして合楠鎮に戻り、麻薬取締官になった。

彼は機転が利き、勇敢で、体に怪我を抱えながらも、多くの麻薬密売人を逮捕し、麻薬王も何人か彼の手で捕まえていた。

輝かしい戦績を持つ彼は、三年前に麻薬取締所の副所長の座に就き、所長が退任す...