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657話

あの日、媚姐に会って以来、天堂散に抵抗しようとしていた林映冰は完全に堕ちてしまった。

わずか数日で、残りの半月分ほどあった天堂散をほとんど使い切ってしまった。

狂ったような速さで会社の一日の業務を片付けた後、午後六時、林総監は車で家に戻った。

家に足を踏み入れるなり、彼女は我慢できないように靴を脱ぎ捨て、寝室に駆け込み、ベッドサイドの引き出しを探り始めた。宝物のように小さなガラス瓶を数本取り出すと、開けて手のひらに粉を注ぎ、一気に飲み込んだ。

たちまち、まるで雲の上にいるような感覚が再び訪れた。林映冰は温かさに包まれているような気がして、目の前の景色がぼやけ始めた。天国にいるような感覚が彼女の...