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650話

ロンドンが霧の都と呼ばれるのには理由がある。

大西洋の島国として、暖かい海流が空気中に多くの湿気を放出し、その湿気がイングランドの冷たい空気に触れると雨を形成するため、ロンドンではよく雨が降るのだ。

午後の現地時間三時半から四時頃になってようやく空が晴れたが、夜になるとまた雪が舞い始めた。

ロンドンは世界最大の都市の一つであり、この街で最も豪華なホテルのバルコニーから雪景色を眺めることは、非常にロマンチックなことと言えるだろう。

楊動は今まさにそのロマンチックな時間を楽しんでいた。もっとも、隣にいるのが四十代の中年男性ではなく美しい娘さんであれば、もっとロマンチックに感じただろうが...