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618話

「子供は助かった、無事だ」

向こうから聞こえた謝銀翹の興奮した言葉に、楊動はその場で凍りついた。アレンに向けていた右手の拳銃が、カチャリと音を立てて地面に落ちた。

かつてない喜びが一瞬で楊動の全身を駆け巡った。まるで死の淵から戻ってきたのが小ピーターではなく、自分自身であるかのように。

その喜びがあまりにも強烈で、彼は立っていられなくなり、よろよろと二歩後ずさり、尻もちをつくところだった。

この瞬間、彼の目は星明かりを映すほど輝いていたが、声はか細く力がなかった。「な、何だって?」

謝銀翹は楊動の今の気持ちがよく分かっていた。軽く乾いた笑いを浮かべ、もう一度繰り返した。「子供は助かった...