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571話

「ヤン兄貴」

杨動が部屋から出てくるのを見て、劉坤はすぐに近づき、劉偉もその後に続いた。

「中に入れ」

杨動は軽く頷くと、再び部屋の中へと戻っていった。

今や部屋の中の血の匂いは濃くなり、鼻をつくほどだった。あの三人の姿はもうなく、部屋の大きな衣装ダンスからは、どくどくと鮮血が流れ出していた。

劉坤と劉偉の兄弟は思わずそちらを見たが、すぐに視線をそらした。

中に何が入っているのか、二人とも察していた。

杨動は手近な布団を手に取り、手を拭いながら淡々と言った。「奴らは全員死んだ。俺が殺した。お前らには関係ない」

ポケットから小切手帳を取り出し、杨動はさらさらと何行か書いて切り取り、劉坤に差し出し...