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552話

「くそっ！」

套間のドアを強く閉めた後、林映冰は自分を落ち着かせるよう強制し、仕事に取り掛かった。

あのバカがようやく目の前をうろつかなくなった。耳元でうるさく喋る声もなくなった。だが、林秘書の心は完全に乱れていた。

もう一つカップを取り出し、自分用にコーヒーを淹れて飲み干した後、彼女はようやく心を落ち着かせて仕事を始めることができた。

この調子で仕事をしていると、あっという間に午前中が過ぎていった。

オフィスの外からコツコツと足音が聞こえてきて初めて、林映冰は書類から顔を上げた。時計を見ると、もうお昼の時間になっていた。

伸びをしながら長く息を吐き出した林総は、一日の仕事がほとんど終わ...