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449話

黒い影が右手を激しく李襄陽の首に向かって払った。冷たい刃身は、周囲の炎の照らしを受け、翠緑色の光を放っていた。

重傷を負った李襄陽は、立ち上がることさえやっとの状態だ。どうしてこの相手の首切りを避けられるだろうか?

しかも、黒い影の動きを見れば、間違いなく首切りの達人だ。動作に無駄が一切ない。

全盛期ならまだしも、今の李襄陽には、この一撃を避ける可能性は皆無だった。

彼はただ、その冷光が自分の首筋へと迫るのを、目を見開いて見つめるしかなかった。

猛スピードで迫る緑の光に、李襄陽の首筋の肌は死の冷気を感じていた。

まさに喉を切り裂かれようというその瞬間、緑の光は不意に彼の身体の前で止...