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409話

十七階の工事現場の鍵のかかった引き戸を見て、小董は完全に慌ててしまった。

階下でも林総の姿は見えなかったし、上にも来ていない。林総は一体どこへ行ったのだろう?

小董は魂を失ったように下へ歩いていた。十四階の曲がり角まで来たとき、突然下から女性の声が聞こえてきた。

「ねえ、趙姉さん、今朝、葉公子が誰かに平手打ちされても怒らなかったって聞いたけど、あのとき大広間にいたでしょう?本当なの?」

彼女が下を覗くと、清掃服を着た二人の中年女性が、モップを持って十四階の方へ歩いてくるのが見えた。

「そうよ、あのとき私はテーブルを片付けていたの。若い男性が葉公子に向かって歩いていって…」

その趙姉さんがそこま...