都市の傭兵王

1829話

「お、お前は一体誰なんだ？」

賀城慶が黒装束の人物を見つめながら呟くように問いかけると、相手はゆっくりと手を上げ、顔を覆う黒い布を外した。そこには典型的な東洋人の顔が現れた。「私こそが、年幇の王だ。もちろん、これからはお前がその王となる」

賀城慶は呆然とした。

長年大雪苑を掌握してきた賀城慶が、年幇の歴史を知らないはずがない。

年幇の王は、寧苗苗ではなかったのか？

自分の実の父親がどうして年幇の王であり得るのか？

黒装束の男はすぐに彼に説明を始めた。淡々とした口調で。「年幇は、不変のものではない。かつてモンゴル人に追われていた時、三苑の先達は雪山に逃げ込んだ。だが、一部の者たちは鉄の蹄に踏...