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1750話

シベリアの冷たい風が雪片を運び、華国の北部一帯を白く染め上げていた。

燕京城だけではなく、祁連山のふもとにある小さな県城も、雪に覆われていた。

ただ、燕京城とは違い、燕京では雪が止むとすぐに清掃されるが、この人口も少なく経済も発達していない小さな県城では、主要な道路の雪しか取り除かれず、少し離れた道は誰も手をつけなかった。

昼過ぎに雪が止んだばかりで、署からは大勢が街に雪かきに出ていた。つい先日職場に戻ったばかりの邢亜麗は、事務所で別の同僚と一緒に当直を務めていた。

邢亜麗が勤務に復帰したのは今朝のことだった。あの誘拐事件以来、彼女は丸三日間も自宅で休んでいたのだ。

しかし、三日経った今でも、...