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1578話

羊皮紙、青いインク、少し不鮮明な筆跡で、彼らが海島に到着してから何を恐れたのかが記されていた。

日記の記録者は坂新田一と名乗り、自身の記述によれば、ヨットの医学専門家だという。東大医学部を卒業し、フランスで二年間修士課程を修めたとのことだ。

日記は航海八日目から記録が始まっており、農仕は当事者の視点から、日記を見ながら皆に事の顛末を語り始めた:

「軍備を携帯する支援要員として、我々は太平洋戦場の戦闘を支援する任務を負っていた。

それまでの八日間、我々の海域は常に凪いでいたが、九日目になってそれが一変した。

暴風雨が強襲し、巨大な嵐によって我々の小型艦船は予定航路から外れてしまった。だが我々の...