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1540話

刀の柄を掴んだまま、楊動は身体を半空中に浮かせたまま動きを止めた。そこで初めて、彼は下を向いて叫んだ。「上がったら縄を垂らすから、掴まって登ってこい」

言い終わるや否や、楊動はこの刀を足場にして右腕に力を込め、一気に跳躍して船の甲板へと姿を消した。

三、四階建ての高さを、楊動はたった二回の跳躍でこなしたのだ。

四階建てがどれほどの高さか?

木造船が水面から露出している高度がそこまでなくても、十数メートルはあるだろう。

それなのに楊動は、二度の跳躍と、その間に黒い奇妙な刀を一度だけ足掛かりにしただけで、上へと「飛んで」しまった。

この恐ろしい動きを表現するなら、「飛ぶ」という言葉しかないだ...