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1365話

「将思瑶の『唆し』に乗って、楊動は通路に入ったが、その通路が再び開いた時、楊動の姿はなくなっていた。

彼はどこへ行ったのか。通路を通って次の部屋に行ったのか、それとも何か機関に触れて連れ去られたのか。

「楊動!」

喬振綱が通路の外から呼びかけたが、何の応答もなかった。

楊動に何も起きていなければ、返事をするはずだ。だが通路の中は空っぽで、何の物音も聞こえてこなかった。

将思瑶は唇を強く噛み、俯いて黙り込んでしまった。

「ほら、あなたにどう言えばいいのかね」

熊振坤は将思瑶を見て溜息をつくと、背中に手を回して通路に入っていった。「行こう、楊動を探しに連れて行ってやる」

特殊警察隊員たちに目配せし...