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1339話

二つの道、二者択一。

楊動は黙りこんだ。

もし彼一人だけなら、大雪苑が彼を操ろうとする意図を察した時点で、危険を冒してでも絶対に大雪苑が用意した道を行くことはなかっただろう。

楊動の気性はずっとそうだった。頑固で、あの連中に頭を下げるようなことはしない。

だが今、彼の背中には鐘心妍がいる。

もし下の道がより危険だとしたら、鐘心妍を連れて行くことは彼女を危険に晒すことになる。

ぱちり。

火に焼かれた木が裂ける音が響き、光源の時間が限られていることを思い出させた。彼は急いで決断しなければならない。

「どう選ぶべきか?」

楊動が心の中でそう問いかけた瞬間、背中から呻き声が聞こえてきた。「うっ……」

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