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1320話

突然の平手打ちで、まどろみから目覚めたばかりの楊動は一瞬頭が真っ白になった。

普段なら、女性の軽い平手打ちなど、楊動は避けようと思えば簡単に避けられただろう。

だが彼はまだ驚きの余韻に浸っていたうえ、鐘心妍に対して全く警戒心を持っていなかった……昨夜親密な関係を持ったばかりの女性に、どんな男が警戒するというのだろうか?

とにかく、鐘心妍のこの平手打ちは、楊動にはっきりと命中した。

幸い、楊某という人物は不良を演じるのが得意で、そのために鍛え上げた刀も銃も通さない厚顔無恥の持ち主だったので、特に痛みは感じなかったが、すぐさま鐘心妍が振り返してもう一度打ちかけてきた手を掴んだ。

「鐘心妍、俺の説明...