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1175話

石屋の中で、古蜀王と楊動は『古蜀四籍』に目を輝かせていた。

この石屋には蝋燭の火もなければ窓もなく、光を放っているのは淡く輝く夜明珠だけだった。

大量の夜明珠が、部屋をほぼ埋め尽くしていた。

夜明珠は無駄なものではなかった。彭家の祖宅で、夜明珠と書物が一緒に保管されていたのは、四冊の『古蜀四籍』を解読するには夜明珠が必要だったからだと証明された。

しかも完全な暗闇の中で、夜明珠の光だけで読まなければ現れないのだ。

この四冊の書は恐らく二種類の顔料で書かれており、一種は誰もが見ることができる歴史や風土人情の部分。

もう一種の顔料は、それらの文字の余白に書かれており、夜明珠の光でしか見ることができ...