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1065話

「血の足跡を残す狼人間、ウォルカー。五年前、シベリア高原で罠にはめられ狼の群れに追い込まれたが、結果として狼の群れは一匹残らず殲滅された。殺人鰐のレクトン、かつて単独の力で南大西洋海域の八つの海賊団を一掃した男だ。獅子狩りのジェラル、アフリカの原野ではライオンの群れさえも恐れるという男だ」

カシリアスは整理された資料を見ながら、表情がどんどん豊かになっていった。

以前からこのSランク傭兵団の名を聞いたことはあったが、こんなに強いとは思いもしなかった。

「クーンという財閥の御曹司は目立った功績はないものの、銃器改造の天才だ。ノア・アームズ社が改造したスナイパーライフルは、どんな狙撃手も欲し...