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753話

林浩は顔を上げてちらりと見て、伝音術で言った。「もう少し待っていただきたい。妻の精神状態が今、特殊な状況でして」

空から林浩を見守っていた彼得教皇は、その言葉を聞いて首を傾げた。林浩があれほど妻のために命がけで戦い、再生の心を奪取したというのに。今や自分の術によって妻の傷は必ず完治するだろうし、もう一つの再生の心を手に入れれば、沈惜颜はかなり長生きできるはずだ。その「長い」という期限がどれほどなのかは、彼自身にもわからなかったが。

彼はもうこの場を去れると感じていた。行き先はどこでもよかった。ただこの千年も居続けた場所から離れられるなら。

正直なところ、再生の心を沈惜颜に使うのは少し勿体...